2009年10月15日木曜日

腰痛クラブ

今週、私はギックリ腰になった。人生で初めての経験である。

日曜日の野球練習後にそいつはやってきた。帰りにラーメン屋へ寄ろうと車から降りたあと、腰が激痛で伸ばせなくなってしまったのである。

これまで、スポーツの後に軽い腰痛を感じることは多々あったのだが、これ程の激痛は初めてで、翌日もほとんど動けなかった。

連休明けの火曜日、重要な会議がなければ休みたいところだったがそうもいかず、あまりの痛さにアウアウ言いながらやっと会社へ辿り着いた。
その日はちょうど役員会で、お偉いオジサマがたが私のいるオフィスに集結する日。なぜかウチの会社では、腰痛がオジサマがたの一種のステータスとなっており、「腰痛知らないヤツ=苦労知らないヤツ」くらいの雰囲気があるのだ。私はアウアウ言いながら腰を曲げて小股で歩いていたのだが、その姿を見たオジサマ方がそんな私をイジらずに見逃すはずがない。「ほほぅ、お前も成長したのぅ」と、ニヤニヤしながら近付いてくる・・・。
アウアウとニヤニヤの遭遇である。
愛想笑いする余裕すらない私は放っておいてほしかったのだが、その都度、現在の症状やこれまでの経緯を説明し、オジサマがたそれぞれのユニークな治療法を聞かねばならなかった。

やっとオジサマがたのニヤニヤから逃れられたと思い、ホッとして喫煙室に行くと、今度はオジサマがたが一堂に集結しているのである。しかもどうやら私のギックリ腰の話から始まって腰痛の話で盛り上がっているらしい。飛んで火に入る秋のアウアウとは私のことで、ここでめでたく私もこの「腰痛クラブ」のメンバーとなった。できれば一生なりたくないメンバーである。

翌日も一向に痛みがひく気配がない。座っている時はいいのだが、立ち上がって腰を伸ばそうとすると腰椎に激痛が走る。私の机から立ち上がって二歩くらい歩いたところに新入女子社員のYさんが座っているのだが、ちょうどそのあたりで「グキッ!」っと激痛が走るのだ。Yさんのすぐ背後で私が「はうぅっ!」などと怪しげな声を漏らすので、Yさんがその度にビクッ!っとしている。これはまずい。セクハラで訴えられる前に病院へ行くことにした。

病院の選択にあたっては、「腰痛クラブ」の諸先輩方から様々なご意見を頂戴していたのだが、初回でもあるし、視覚的根拠を重んじる私は整形外科に行くことにした。
以前これも野球試合中の怪我で通ったことのあるM整形外科へ行くことにしたのだが、なんと歩いているうちに症状が軽くなっていく。よく考えてみると私はいつもそうなのである。歯医者に向かうと歯痛はよくなるし、風邪で内科へ行こうとすると熱が下がってしまう。なぜなのか分からないが、ツラさが医者に伝わりにくい損な体質だ。

診察室へ入ると、久しぶりに会う先生。思い出した。この先生は「ドS」なのだ。
先生は私を診察台の上で横にさせると、力ずくで足を上下させるわ、腰はグリグリ捻らせるわであっという間に痛み復活である。

「これはどう?」
「ギェー!痛いです痛いです」
「んじゃこっちは?」
「ウグッ!強烈に痛いです痛いですってば」
「だろうねぇ」

「だろうねぇ」ではない。そんなにしなくても痛みの場所は分かるだろうがよ。

その後、ズボンを半分下ろしたヨレヨレの状態でレントゲン室へ連れて行かれ、そこでも半ケツ状態で様々な角度にさせられ、何枚もレントゲンを撮られた。まさに拷問である。もうどうにでもしてください。ブツのありかは吐きますから…。

結局、今回の腰痛は私の腰椎がズレていることと、若いころにスポーツで腰を酷使したために骨が変形しているのが原因だそう。

「昔取ったナントカやないけど、腹筋・背筋が落ちてるのに若い頃と同じように運動しよったらこうなるったい。」
「ということはセンセイ、腹筋・背筋を鍛えるしかないってことですか??」
「当たり前やろ!腹筋・背筋を鍛えるのはスポーツマンとして基本やろうが!みーんな鍛えんでスポーツするもんやけん、みーんな怪我してこの病院に来よろうが。ダハハッ!」

「ダハハッ!」ではない。そんなに言わなくても本人は十分分かってますから。

ドSな先生に拷問と言葉責めされないためにトレーニングに励もうと思う今日この頃であった…。

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