「Rolling Stone」というおシャレな雑誌の話ではない。
もう2ヶ月以上前になる。
鹿児島出張の帰り、突然の激痛に襲われた。
左の脇腹、それも背中よりの部分が猛烈に痛い。
そういえば昨日の夜からなんとなく違和感があった。おなかが張ってるし、食欲もない。いったいなんの痛みなんだ…。
そうだ、昨日はちょっと無理な体勢で作業したから、その筋肉痛なんだな。筋肉痛にしちゃ結構痛いけど、そんなに若くもないし、自分の体を過信しちゃいけないな。会社についたら湿布でも貼っておこう。
同僚が運転する車の後部座席で痛みに耐えながら、元来、楽観主義者である私は、
「食欲もないし、ひょっとして大変な病気かも」説
ではなく、
「若さを過信した末の筋肉痛」説
を採用することに決め、会社へ着くのを待った。
会社に着くと、すぐに脇腹と背中に湿布を貼ってみた。痛みがすっと軽くなる。
やっぱり筋肉痛だったか…。あれくらいで筋肉痛になるなんて、俺も若くないな…。
翌日日曜日。まだ痛い。おかしい。
結局日曜日は一日痛みに耐えながら寝ていた。少し体を動かしただけでもかなりの激痛が走る。おなかが張っていたので、何も食べずにひたすら痛みに耐えていた。
そして月曜日。筋肉痛がこんなに続くわけがない。
ここで「ひょっとして大変な病気かも」説の再浮上である。
通勤途中に「脇腹 痛み」でググってみると、あらあら、いろんな病気が出てくるわ。
おシッコもなんか赤いような気がするし、ひょっとしてこの病気かも…。これは医者に行ったほうが良さそうだ。
会社に着くなり上司に許可を貰って近くのHクリニックへ行く。
あまり良い評判を聞かないので普段はあまり行かないのだが、一番近い病院(内科も外科もあるし)だったので向かうことにした。
以前も書いたが、私は病院に行くまでに症状が軽くなるというソンな体質なのである。
今回もやはりそうなのだが、それでも耐え難い痛みで、脂汗が出る。
受付で病状を説明し、「どうも血尿もでてるみたいなんです」と、とどめの一言。
普段はお年寄りメインのようで、なんとなくのんびりしている院内が、私のやや芝居がかった「血尿」発言でにわかに騒がしくなる。先生が奥で「先に急患さん診るから!」と言っている。
私、急患ですか?ちょっと大げさすぎたかな。結局筋肉痛だったりすると恥ずかしいぜ…。
尿を採り、早々に診察室に呼ばれ、先生へ事情を説明する。
「おそらく、石です。」
「石?ですか?」
「腎臓が腫れています。おそらく尿管に石が詰まっているからでしょう。結石ですね。検査と治療を兼ねる方法がありますので、早速やりましょう!フガフガ!」
久しぶりの急患(なのかどうかは分からないが)で先生も鼻息が荒い。
ネットで調べていたので「ひょっとしたら…」と思っていたのだが、「結石」なんて完全に中年ではないか…。
そこへナースが先ほど採った尿の検査結果を持ってきた。
「潜血出てるやろ?ムフッ!」 相変わらず先生の鼻息が荒い。
「いえ、出てません。」 対して冷静なナース。
「潜血出てない?フンガッ!」 先生の鼻息は止まらない。
「出てませんよ。」 ナースは検査結果をパンパンと指差す。
先生は血尿ではなかったことがやや残念な様子。それでも鼻息は止まらず、レントゲン室をせかす。
「急患さん入ったからレントゲン室急いで空けて!ムフー!」
レントゲン室に入ると、台の上に寝かされ、造影剤を打たれる。先生の説明によると、造影剤はドロドロしているので、石が滑って転げ落ちるそうだ。
先生がレントゲン室に入り、操作を始めた。逆さになったり立ったりしながら、レントゲンを撮影していく。
「やっぱり左の腎臓が腫れてますよ。これから腎臓のところを押しますから、ちょっと痛いですよ。」
え?先生、押すなんて聞いてないよ…。転がり落ちるっていったじゃん…。
レントゲン台に取り付けられた遠隔操作可能なアームが腎臓から尿管にかけてグリグリ押していく。激痛である。
レントゲン室には、隣室で叫ぶ先生の声がスピーカーを通して響き渡る。
「あ!落ちました、落ちましたよ!いま落ちて、もう膀胱までいったはずですよー!!」
「腎臓がちっちゃくなりましたー!!」
あまりの激痛で遠のく意識の中で、なぜ先生はこれほど嬉しそうなんだろうかと思った…。
どSな先生の説明によると、日頃の不摂生で尿酸値が高く、結石ができやすくなっているとのこと。
食事の量を落とし、ビールなどを控えめにしてプリン体を取らなければ尿酸値を下げることができるそうだ。
お陰で、その後1か月で体重は5kg減り、今もキープしている。このレベルの体重は8年ぶりくらい。こんなダイエットはしたくないが…。
また脇腹が痛くなったらあの先生のところへ行くかどうか、迷うなぁ。
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